まず、NPO法人化することによって、法律上の位置付けが明確になり、代表者個人ではなく、NPO法人自体が権利・義務の主体となります。
従って、契約などの法律行為も法人名義で締結することになります。
契約当事者の法人代表者が交代しても、一から契約を締結し直す必要がなくなります。
次に、資産・負債関係ですが、法人名義で銀行口座を開設をすることができ、各種金融機関からの借り入れ、不動産の所有や登記も法人名義で行うことになります。
法人化することにより、法人の財産と個人の財産がはっきりと区別されます。
最後に損害賠償関係です。
法人として損害賠償の対応をすることになり、個人の責任とは区分されますので、代表者個人への過度の責任追及から開放されます。
尚、ボランティア団体など任意団体としての活動は、代表者個人に負担がかかり、また、上記の法律行為(借り入れや不動産移転など)を代表者個人名義で行うことになりますので、代表者の交代などに時間と労力がかかってしまいます。
法人化により、今まで自由にできていたことも営利法人以上に規制されます。
NPO法の規制を受けるとともに、定款通りの運営が求められます(NPO法人は定款に定めた目的の範囲内で権利を有し義務を負います)。
また、定款を変更する際は、総会の議決を経て、所轄庁の認証を受けなければなりません。
尚、軽微な事項は届出で足ります。
(軽微な事項とは)
この他にも、毎事業年度終了後3ヶ月以内に事業報告書等及び役員名簿等を作成、所轄庁に提出し、上記書類を3年間事務所に備え置き、社員及び利害関係人からの請求があれば閲覧させなければなりません。
法人化することによって、よりいっそうの法令順守が求められることに伴い、組織の基盤も整います。
NPO法人は、法律に基づいた税務・労務対応が営利法人と同じように求められ、且つ、法人運営書類の提出、情報公開が営利法人以上に求められていますので、他の法人形態に比べれば、比較的社会的信用は得やすいと言えます。
法人化により、社会貢献活動をスムーズに行いやすくなりますが、真の社会的信用は、その団体が社会の為に成し得た成果への評価によって得られることとなります。
法人化をすべきかどうかは、これら3つの項目を踏まえた上で、法人化することにより、これから行おうとしている活動又は現在行っている活動が 「やりやすくなるのか、やりにくくなるのか」を総合的に判断して決めましょう。
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