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NPO法(特定非営利活動促進法)の改正の概要について解説

平成23年6月に「NPO法(特定非営利活動促進法)の一部を改正する法律」が成立し、平成24年4月1日から施行されています。

以下、改正の概要を解説いたします。

<活動分野が増えた。従来の17個が20個に>

これまでは17であった活動分野が、今回の法改正により20に増えました。

  • 観光の振興を図る活動
  • 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
  • 法第2条別表各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市が条例で定める活動

以上の3つが追加されました。※赤字が追加された分野になります。

  1. 保険、医療または福祉の増進を図る活動
  2. 社会教育の推進を図る活動
  3. まちづくりの推進を図る活動
  4. 観光の振興を図る活動
  5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
  6. 学術、文化、芸術またはスポーツの振興を図る活動
  7. 環境の保全を図る活動
  8. 災害救援活動
  9. 地域安全活動
  10. 人権の擁護または平和の推進を図る活動
  11. 国際協力の活動
  12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  13. 子どもの健全育成を図る活動
  14. 情報化社会の発展を図る活動
  15. 科学技術の振興を図る活動
  16. 経済活動の活性化を図る活動
  17. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  18. 消費者の保護を図る活動
  19. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営または活動に関する連絡、助言または援助の活動
  20. 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市が条例で定める活動

<所轄庁の管轄が変わった>

内閣府認証がなくなり。地方自治体に移管されました。

2以上の都道府県に事務所を置く法人については、これまでは内閣府認証でしたが、今後は「主たる事務所の所在地の都道府県が認証」を行うことになります。また、1つの政令指定市の区域にのみ事務所を置く法人については、都道府県認証から政令指定都市認証へと変更になりました。

<認証手続きの簡素・柔軟化された>

1.縦覧期間中の補正が可能になりました。

申請書などにおいて、内容の同一性には影響を与えない明らかな誤字・脱字などは縦覧期間中でも補正が可能になりました。

これまでは、一旦縦覧に入ってしまうと軽微な補正もできず、申請前に相当入念なチェックが必要でしたが、今後は軽微な修正については、柔軟な運用がなされます。

2.社員総会の決議の省略が可能に。

社員全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示を行った場合は、その同意を社員総会の決議と替えることが可能になりました。 全国各地に社員が散らばっている場合等、社員総会の運用が簡素化されます。

3.理事の代表権の制限を第三者に対抗できるようになった。

これまでは、NPO法人の理事全員に代表権がありましたので、定款で代表権を持つ者を一人と定めていても、善意の第三者には対抗できませんでした。

今回の法改正ではそれが可能になります。定款で理事のうち一人を代表者として定めた場合、その旨の登記が可能になりました。

4.届出のみで足りる定款変更事項が拡大された。

原則として、定款変更は再度所轄庁の認証を受けなければなりませんが、今回の法改正では、認証が不要となる項目が増えました。 以下の4つが追加されています。※赤字が追加された項目になります。

  1. 事務所の所在地
  2. 役員定数
  3. 資産に関する事項
  4. 会計に関する事項
  5. 事業年度
  6. 解散に関する事項(残余財産に帰属すべき者に係るもの以外)
  7. 公告の方法

5.解散公告が簡素化された。

NPO法人を解散した場合、解散公告を2ヶ月以上に渡って3回も行わなければなりませんでしたが、今後は1回でよくなります。 解散公告1回分が約3万円でしたので、相当な負担だったのでしょう。今後は、費用的な面においても解散がしやすくなります。

<市民への信頼性向上のための措置>

1.未登記法人の認証の取り消し

設立の認証を受けたものが認証日から6ヶ月を経過しても設立登記をしないときは、所轄庁はその認証を取り消すことができるようになりました。

せっかく認証を受けたものの、設立登記をしない団体がいるのも事実。設立登記を行って初めて「法人格」が与えられます。

2.会計の明確化

NPO法人が作成すべき会計書類のうち、「収支計算書」が「活動計算書」に変更になりました。これは、活動に係る事業の実績を表示するための書類になります。


当ページ解説の他にも、情報開示の充実、新たな認定NPO法人制度の創設など、改正箇所は多いのですが、以上が、NPO法人設立時においてチェックしておくべき項目となります。

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